DATA DESIGN PROGRAM

一橋大学 データ・デザイン・プログラム

HITOTSUBASHI UNIVERSITY
Data Design Program

Curriculum カリキュラム(主な講義)

情報科学・統計基礎

近年、ビッグデータや集合知を使ったデジタル社会実験などの最先端の手法が商品開発やサービスの企画に活用されつつある。本講義では情報科学と社会科学(社会実装を含む)の融合に着目し、人間の意思決定パターンを理解するための情報の取得方法と検証方法を紹介する。具体的に、前半は計算社会科学の知見をベースに、情報社会における社会実験の方法論と適用事例を紹介する。後半はデータからビジネス場面に役立つような結論を導くための統計学の基礎を紹介する。

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プログラミング実践

プログラミングの勉強は世の中で最も簡単な語学の勉強とも言われる。シンプルな文法に従って、数行のコードを書けば、データやAIとのコミュニケーションができる。本授業の最も重要な目的はプログラミングに対する恐怖心をなくし、アルゴリズムと仲良くすることである。アクティブラーニングの形式で、実世界データを使いながら、Pythonの基本操作から、データのビジュアライゼーションや簡単な統計分析の手法を仲間と協力しながら勉強できる。

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新商品開発基礎

商業的に成功するアイデアは、3000の原案に対して1つとも言われる。新商品開発のフロントエンド、すなわちアイデア創出とコンセプト開発は、曖昧で管理が難しいにも関わらず、その後の商品の成功を運命付ける重要なプロセスである。本講義では、フロントエンドを中心に、創造性開発やプロジェクトマネジメントのための一連の手法や、モチベーション等の心理状態に即したチーム管理等を、実例や学術理論を通して学習する。

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デザインの基本

本講義の目的は、「どのようにすれば知識や関心の全くなかった人にデザインを身につけさせることができるのか?」ということである。多摩美術大学教授の永井一史(HAKUHODO DESIGN代表取締役社長)が、多様な実務家をゲストとして招いて講義を構成する。本講義でのデザインとは、製品/サービス全体やそのユーザー接点を設計する行為全般を指す。何故デザインを学ぶのか?それは、魅力的な製品/サービスかによってユーザーにとっての価値が変わり収益性や企業経営が大きく左右されるからである。また新しい事業を発想する創造性教育としてもデザインは重要である。

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デザイン思考とデザイン経営

「デザイン思考」と「デザイン経営」の「なぜ」を理解することに主眼を置く。ビジネス、政策の現場での流行語の一つとなっているこの2つの考え方について、その実践例や実践手法についてはたくさんの情報が溢れている。しかし、それがなぜ有効なのかはほとんど探求されていない。この講義では「デザイン思考」「デザイン経営」の一歩先を歩むことになるであろう皆さんが、その方法を考えていくための理論的な手がかりと、考える素材を提供する。

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メディア&サービスデザイン

メディアとは「媒体」を原義とし、特に情報を幅広く伝えるための手段を意味する。新聞・ラジオ・テレビといったマスメディアからWebやSNSのようなインターネットメディアまで幅広いメディアが存在するが、最近では単に幅広く伝えるだけでなく、ターゲット層に対して如何に深く到達するかという個別化、従来よりもよりダイナミックな双方向性を利用した価値向上など、新たな展開を迎えている。サービスとは「役務」を原義とし、狭義としては人によって他者に対して行われる役務だが、役務の主体は人だけでなく、ウェブ上でのアルゴリズムであったり、コミュニティのルールであったり、プロダクトに埋め込まれた機能であったりするなど、その幅が広がっている。特に、技術の進展によってメディアとサービスの境界は曖昧となり、それらをデザイン的アプローチによって効果的に組み合わせた新しいメディア・サービス融合体が注目されている。本講義では、上述のように近年発展しつつあるメディア・サービスデザインを事例に基づいて理解し、今後この分野が進む方向性について洞察力を高めることを目標とする。

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社会課題の解決

世の中には社会課題があふれている。国(政府)も自治体も企業もNPOも、社会課題の解決のために存在していると言っても過言ではない。本講義では、取材経験の豊富な日本経済新聞のベテラン記者が取材で培った知見を生かしながら、人口や地球温暖化・気候変動、イノベーションやデジタル社会への対応といった、実社会での代表的な課題をオムニバス形式で取り上げる。国内外のデータや事例を紹介し、記者独自の視点で解説する。

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2年次ワークショップ

本ワークショップでは、履修生がいくつかのグループを形成し、自ら課題を発見し、その解決の提案や提案を具現化するためのプロトタイピングを行うことを通じ、課題解決能力を育成していく。その実施においては、データの活用と、デザイン的発想の活用を重視する。また、本授業を通じて、課題発見から課題解決までの一連の流れを理解し、その実施に向けた基礎的能力を身に着けることを目的とする。

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修了要件

  1. 商学部に設置するプログラムとし、期間は2年次から4年次までの3年間とする。
  2. 修了要件は、DDP科目群から必修科目16単位、選択科目10単位、計26単位を取得することとする。修了者には、卒業時に商学部長から修了証が授与される。
  3. 留学や休学等による履修の休止は可とする。留学先で履修した科目との単位互換はありうるが、本プログラムの修了要件には含めないものとする。